春風 (2021/11/16投稿)

まだこれからもっと寒さが募るこの時期に「春風」の話題です。

でもちょっとお聞きください。

新型コロナは第6波の来襲が懸念されるとはいえ、今のところ感染者数の少ない状態が続いています。

街にも本当に人が増え、クリスマスの灯りも灯り始めました。

そんな中、私たちの活動に興味を持ち、訪れてくださる若い女性が何人かいらっしゃいました。

卒業論文のテーマに地域活動を選んだり、新しい経験のためにボランティアを希望したり、動機は様々ですが、地域を考え、社会を考える若い皆様とお会いするのは楽しいことです。

今、心がわくわくするプロジェクトが進んでいます。

夢を語るプロジェクトです。

実現するかどうかもわからない、けれども私たちが日頃考えている様々な「夢」を語り、その方がまとめていくプロジェクトです。

素晴らしい夢ですが、「いつ実現するか?」どころか、「実現することができるのか」すらわかりません。

でも、私たちは、たくさんの夢を語ります。

そして、それを真剣に聞き、どうしたら実現できるかを考える若い方がいらっしゃいます。

そんな時間を過ごす時、まるで心の中に春風が吹いているような明るく温かい気持ちになるのを感じます。

心がエネルギーで満たされていくのを感じます。

夢を語る素晴らしさ、しばらく忘れていた大切なことでした。

夢を紡ぐ (2021/11/24投稿)

その素敵なプロジェクトは、卒業を来春に控えた一人の大学生が私たちのところを訪れたことから始まりました。

その一級建築士を目指す学生は、建築学科に所属し、卒業制作の課題を「子ども食堂」としていました。

大宮社協の紹介で、そちらから一番近いてらこや新都心に子ども食堂の活動についてインタビューするためにおいでくださったのでした。

一通り私たちの活動と、今のてらこや新都心の施設について説明し、面談が終わった後も、私たちの心の中では「こんどはこういう施設にしたい、こんな場所が欲しい」という思いが高まっていきました。

そして、「次の世代のてらこや新都心の施設を一緒に考えませんか?」という提案を差し上げることになりました。

その提案を快く受け入れた彼女と、何度かの打ち合わせをする中で、私たちの「てらこや未来の家」が図面として目の前に現れることになりました。

その図面を見た瞬間は、私たちの「夢」が図面として実体化した瞬間で、私たちの心は暖かい春のような風が吹き抜けたようでした。

彼女は私たちの夢を受け入れ、それを設計する作業に入っています。

心の中では、受け取った情報をさらに熟成する作業が進んでいることでしょう。

「てらこや未来の家」は、いつできるというものではないかもしれません。

今は「夢物語」です。

でもその「夢」は、私たちの行き先を示す星のようなものだと思います。

たどり着けなくてもいい。

そこに向かうあゆみの一歩一歩を楽しめばいい。

提案された図面を見ながらそんなことを考えています。

人を頼るということ (2021/12/28投稿)

2021年ももうすぐ暮れようとしています。

今年もコロナの影響はありましたが、さまざまな方がてらこや新都心に出入りしてくださいました。

いらっしゃる方はそれぞれ動機も目的もいろいろですが、中には何らかの安らぎや救いを求めている方もいらっしゃいます。

お迎えする私たちも、大したことができるわけではありませんが、てらこや新都心での時間が少しでも安らぎの時間になるように、心を尽くしてお迎えしようと思っています。

人を頼るということに慣れていらっしゃらない方、遠慮やためらいをお持ちの方に対しては、それを不十分かもしれませんが受け止める私たちも充実感や満足感があることをご理解いただきたいと思っています。

そのような関係が築けずにてらこやを後にされる方を見ると、私たちもとても寂しい思いでお見送りしていることを理解してもらいたいのです。

頼ることは手を繋ぐこと・・・・

一方的な関係ではなく、そのことを通じてお互いに得るものがあるWIN-WINの関係だと思っています。

そのような関係を通じて、社会の助け合いの仕組みはできていると思うのです。

新しく来る年、2022年もさまざまな方々と手を取り合う一年になることを願う、底冷えのする1日です。

助けて (2022/4/22投稿)

昨日の朝のことでした。

まだ、てらこやに入る前の朝の早い時間、突然玄関のインターホンに呼び出されました。

「あみさん、助けて!」

ご近所の女の子の声です。

慌てて出ていくと、真新しい中学校の制服姿の中学生でした。

色々と忙しいのか、てらこやへはあまり姿を見せなくなってしまったお嬢さんです。

聞くと、「子猫が怪我をしているので何とかしてほしい」と。

登校時間が遅れるのも構わずお友だち数人と、鼻のあたりから血が出ている子猫を何とかしようと悪戦苦闘していました。

「静かにして子猫を落ち着かせるように」などのアドバイスをしながら、ご近所で猫の保護活動をしていらっしゃる方に連絡を取り、こどもたちを学校に向かわせました(遅刻の連絡は自分たちで入れていたそうです。)

自宅に戻り、ほっと一息入れてから、暖かい気持ちが湧き上がってきました。

子どもたちにとっての私の存在が在るという事は、少しでも彼らの役に立っているのだなと、励まされました。

本当に有難い事なのだと思います。

地元であの人に伝えたら何とかしてくれるかも…というSOSでした。私が考えもしなかった事でした。

いつもは大人しい女の子が「あみさん、助けてください」って…こんな有難いことはありません。

それにしても子どもたちはなんて素直で心の美しい存在なのだろうと、感動すると共に、地域の居場所作りを続けてきてよかったと思えた、朝の出来事でした。

*写真はイメージです。

手の中にあるもの (2022/6/26投稿)

子どもたちの居場所作りの活動「子どもラボ」も、新型コロナの影響を受けつつも活動を継続し、最近では毎日10名を超す子どもたちが元気に活動をしています。

そんな中で、子どもラボの活動に関連して、いくつかのご相談を受ける機会がありました。

細かいことは記せませんが、どのお話も当事者にとっては深刻なお話です。

そのようなお話を伺った場合は、できるだけのことをして差し上げたいとの思いから、自分たちの今の活動を振り返ります。

そんな中で気づいたことは、私たちの手の中には必要な方々に差し上げられるいくつもの手段、アイデアがあるということです。

特別なことができるわけでもありませんし、専門的な知識があるわけではありません。

それでも、8年以上続けてきた活動の中で、私たちの手の中に残っているものはあるのだということに気付かされれる今日この頃です。