なぜ私たちは続けるのか (2020/3/31投稿)

新型コロナウィルスをめぐる状況は、改善する兆しが見えません。

感染の拡大を防ぐために、マスコミは連日感染者数の増加と拡大防止のための注意喚起の情報を流し、その一方で人気の減った街の様子や、それでも賑わう観光地の様子などを報道し続けています。

社会が一致団結して新型コロナウィルスに対抗しなければならないために、注意を守っていない人たちに対する批判意見も様々な形で報道され、ネット上にコメントが溢れています。

・ウィルスを撒き散らしているのは、子どもたちでなく、立場が弱いと言われている高齢者だ。

・若者たちは、危機感が薄い。

・都内の繁華街や海外に出かけられない若者が、近隣の観光地に出かけている。

・生活日用品がスーパーの棚から消えた・・・などなど

さいたま市内の学校も3月2日に休校になったまま春休みとなってしまい、入学式、始業式の日程は告知されたものの、その後の授業再会については、まだはっきり決まっていません。

むしろ、都内への通勤の自粛要請も出され、家族が家庭内にとどまり一緒に時間を過ごす状況は増えています。

家族の一人一人が新型コロナウィルスの拡大防止のために、今まで以上に様々なストレスに晒されていることは、間違いないところです。

そのような中で、DVの問題が急浮上して来ています。
https://www.businessinsider.jp/post-210311

新型コロナウィルスの対応が長期化するにつれて、大人も子供も誰もがホッとするひと時を必要としていることは間違いありません。

てらこや新都心は、子どもが一人でも、また大人が散歩がてらに立ち寄れる距離にあります。

そんな距離感の場所に、ほっと一息つける「居場所」を提供するために、私たちは活動を続けています。

もちろん、暖房をつけて窓を開け、換気に心がけたり、外から家に入るときに手指の消毒をしたり、よく触れる場所の消毒を励行したり、子どもたちが使う食器の共有を避けるために使い捨て食器を使ったり、トイレのタオルを廃止して使い捨てのペーパータオルをおいたり、様々な対策をしています。

今の状況に対する私たちの考え方についても、何度か公表いたしました。

「場」を開き続けることに対するご心配の声をお寄せいただくこともあります。

ただ、この「居場所」が必要と感じている方がいらっしゃる限りは、開いておこうという気持ちは変わりません。

「おいでください」と呼びかけるわけではなく、ただ必要な方のために「開いています」と言い続けています。

私たちが、感染源になってしまうこともあることは否定できません。

そうならないために、おいでいただく皆様がこの「場」を守るための誠意に支えられていると思っています。

その誠意に支えられて、必要としている人のためにこの「場」を開き続ける・・・それが、私たちの新型コロナウィルスとの戦いなのかもしれません。

茶飲み友達 (2020/4/8投稿)

昨日、政府から緊急事態宣言が出され、新しいレベルの外出に対する自粛要請が出されました。

今週から、お父さまの在宅ワークも本格化しています。
休校も3日に一度程度の午前中の分散授業以外は、自宅学習になりました。

ご家族が家庭で一緒に過ごす毎日の中、お母さまがたの負担もますます増えています。

・ご家族の健康管理
・お子さまの勉強と運動
・在宅ワークに対する気遣い
・三度三度のメニューと在庫を気にしながらの買い物 などなど

お仕事をお持ちでも、専業主婦でもますます長期化するこのようなストレスは、等しくかかってきています。

このような様々なことを、すべて上手にこなすのは、大変なことだというのは、これをお読みの皆さまは、よくわかっていることです。

「専業主婦だから、頑張らなくては・・・」という気持ちが強ければ強いほど、ますますストレスからの「逃げ場」がなくなります。

私は、新型コロナウィルスという目に見えない敵と戦っている今、こう考えています。

「目に見えない不安に怯えるより、目の前のできることを積み上げていこう」

ストレスで胸が痛くなった時は、「てらこや新都心」にフラリとお茶を飲みにいらっしゃいませんか?
お子さまがご一緒でも大丈夫です。 元気に迎えて、一緒に遊ぶ子どもたちがいます。

乱雑な事務室ですが、一緒にお茶を飲みながらお話ししましょう。
ほんの少しだけ、日常を手放して、ちょっとだけホッとしましょう。

私たちは、ひとときの茶飲み友達になりたいと思っています。

おまけに、てらこや新都心は、禁止されていない散歩で来れる距離にありますよ。

マスク (2020/4/22投稿)

世界中が、新型インフルエンザの荒波に翻弄されています。

小中学校の突然の休校宣言からすでに1ヶ月半、緊急事態制限からも2週間が立ちました。

てらこや新都心でも、レンタルスペースを利用して様々な活動をしている皆さまのほとんどが活動を自粛しています。

そんな中で、「地域の居場所作り」を目指すてらこや新都心は、閉鎖することなく「場」の提供を続けています。

特に「子どもの居場所作り」の活動である「子どもラボ」は、開設時間を平日の10時から18時までに拡大し、毎日子どもたちの声が響いています。

私たちは、ここに集う皆さまの理由、背景についてはなんの詮索をしません。

ただ、不要不急の外出自粛の嵐の中でも集う皆様にとっては、必要な場所であることを信じて、できるだけの感染対策を立てて「場」を開き、お待ちしているだけです。

昨日、いわゆる「アベノマスク」の寄付をお願いしたところ、数多くの思わぬ大きな反応と、暖かいコメントが寄せられました。

今まで何度かてらこや新都心の新型コロナウィルスに対する考え方を公表してきましたが、その反応は大きいものではありませんでした。

もちろん、私たちの信念に基づくものであるとはいえ、世間の自粛の風潮とは異なる内容でしたので、当然のことかもしれませんが、時折、自分たちのやっていることに不安を覚えることがあったのも事実です。

そのような時の「アベノマスクの寄付のお願い」という、てらこや新都心としては珍しい、皆様のサポートをお願いする情報の発信でしたので、これほど大きな反応があるとは予想していませんでした。

お送りいただいたメッセージや「いいね」、「シェア」の行動から、今までてらこや新都心を見守っていてくださっていた皆さまの存在に気づき、こんな時だからこそ、何か人のためにできることはないか?と考える気持ちを共有できたことで、幸福感でいっぱいです。

まだまだ新型コロナウィルス禍の収束には時間がかかると思いますし、これをきっかけにして社会が変化すると言われています。

ここ数日は、私たちの周りでも「その先」を考える上で、微かながらも光が見えてきたような出来事がいくつかありました。

これが「変化」の予兆なのかとも感じています。

まだまだ、強い風がふき、大粒の雨が打ち付ける嵐の中です。

そんな中で下を向いて嵐に耐えるだけでなく、顔をしかめ、目を細めながらも前を向く、そうしていてこそその先に微かな明かりを見ることができるのだということを知った皆さまの暖かい反応でした。

ありがとうございました。

てらこや家族 (2020/5/9投稿)

てらこや新都心の新型コロナウィルスに対する対応も、突然の休校処置が発表された時から数えても、もう2ヶ月以上になります。

その間、利用する皆様が次々と自粛して行く中で「地域の居場所」として「場」は開けておこうという気持ちだけで、可能な限りの防止策を取りながらここまで過ごしてきました。

毎日何人かの子どもたちを中心に人々が集い、細々とですが皆様との交流が続いています。

こういう時だからこそ見えてくる絆もありますし、てらこや新都心の活動とは何なのかを見直す時間もあります。

そんな2ヶ月を過ごしたいま、何人かの子どもたちと一緒に過ごす中で、ふと「家族感」を感じた時がありました。

世代も家庭も境遇も全く異なる、何の縁もゆかりもない人たちが、てらこやという「居場所」の中で、あたかも家族のように平和なひと時を過ごす・・・・

これって私が目指しているものではないか?

できればてらこやを核として、その周りの地域の人がみんな家族のような安らぎを感じながら暮らしていける場所を作りたい。

これが、新型コロナの嵐の中で、雨風に薄目を開けながらどうにか前を見続けていた先に見えた光なのかもしれません。

昨日集まった子どもたちが、楽しそうに「365日の紙飛行機」を歌いながら、部屋を閉め切って一生懸命に何かを作っていました。

呼ばれたので行ってみると、折り紙で作った花束と、プレゼント、そして温かい心のこもったお礼の手紙・・・・

「母の日のプレゼント」だそうです。

そうか、私に「母の日のプレゼント」をくれるんだ。

また、「てらこや家族」を感じたひと時でした。

「場」を開くということ (2020/5/29)

新型コロナウィルスの感染拡大防止のために、突然と言ってもいいほど急に拡大していった自粛の嵐と休校処置も、緊急事態宣言が解除され、来週から分散授業という形ですが、子どもたちも学校に戻り始め、少しずつ新しいライフスタイルを模索しながらの生活が進み始めました。

この間、てらこや新都心はいつもレンタルスペースをご利用になる皆様が、次々と自粛という形で活動を停止される中で、「必要な人が来られる場」でありたいという思いで、月曜日から金曜日まで、ひたすら施設を開けて、子どもたちを迎え入れてきました。

子どもたちは、泥んこ遊び、ブレードボード、段ボール工作、ボードゲーム、室内かくれんぼなど自分たちで様々なブームを作り出し、押し入れの襖を外し、自分たちの居場所にして、自分たちの時間を楽しんでいました。

そんな子どもたちを見守る日々は、ご苦労なさっている方から見れば無謹慎かもしれませんが、静かで楽しい日々でした。

子どもたちが学校に戻っていく来週からは、少し寂しい思いをするのかもしれません。

ただひたすら「場」を開き続けてきた約3ヶ月の間、それでもてらこや新都心にも、目には見えませんが、大きな変化があったようです。

いろいろな方たちと新しい形のつながりができてきているようです。

ほとんどの場合、私たちが呼びかけたわけではなく、先方から連絡をくださり、ご縁ができた皆様です。

ご自身の「居場所」として、てらこや新都心を候補に選んでくださったかたもいらっしゃることでしょう。

新型コロナウィルスと共存が求められる新しい生き方、その中でのてらこや新都心の形が見えてきたような気がします。

ありがたいことです。

今日も事務室で1日を過ごしながら、心が静かながら温かい「気」で満たされていることを感じるこの頃です。

ともしび (2020/7/19投稿)

最近、てらこやにとって様々な展開が起きています。

いろいろな方からいろいろなお話を伺い、その一つ一つを受け止め、勇気付けられ、感動し、涙し、感謝し、共感し・・・・

人とのつながりについて感じる機会が多くなりました。

私たちはその一つ一つの話に対して対応できる専門的な知識や、十分な経験を持っているわけではありません。

ただひたすら受け止めることを心がけています。

そして願っていることは、この場所にきたときよりも、帰るときのほうが心が軽くなり、少し明るい顔になり、前を向いて進もうという心をお持ち帰りいただくことだけです。

なぜなら、それが皆さんの「心の居場所」であるということだと思うからです。

私たちは、いわゆる相談窓口のような看板を掲げることはいたしません。

てらこやを自分の「心の居場所」と決め、訪れてくださる方を、できるだけ暖かくお迎えするだけです。

以前に、コロナ禍という嵐の中を小さな「ともしび」を求めて、顔を上げて進むてらこやの姿についてブログをあげました。

その先に見えた「ともしび」は、私たち自身のあるべき姿だったのかもしれません。

じっくり、丁寧、ご一緒に (2020/7/24投稿)

てらこや新都心の運営は、そのほとんどを2人の最低人数のチームで行なっています。

その仕事は、企画・運営、見守り、広報、人事、財務、施設メンテなど、多岐に渡ります。

その中で心がけていることは、「できる時に、できることを、できるだけ」。

無理をせずに、てらこや新都心の運営を継続して行くための合言葉です。

私たちのところへお話をしに来てくださる皆様にも、この言葉をお伝えしています。

あまり無理をしないで、ゆったり過ごしましょうという気持ちを込めています。

以前ブログにも書きましたが、てらこや新都心はどうやら新しいステージに入りつつあるようです。

前にも増して、色々な方のお話を伺う機会が増えて来ています。

その中で、私たちが心がけたいことがもう一つ。

「じっくり、丁寧、ご一緒に」

てらこや新都心を中心に広がっていく「人の輪」を育てるための合言葉です。

こんな気持ちでいれば、人生という坂道も楽しみながら歩けるかもしれません。

皆様も「ご一緒に」如何ですか?

水てっぽう大会中止 (2021/8/16投稿)

てらこや新都心周辺でも新型コロナ感染情報が身近に迫る中、23日に予定していた今年の夏休み最大、子どもたちに大人気のイベント「水てっぽう大会」中止の決断をしました。

残念な思いでいっぱいです。

今年の夏休みは、一年半もの間、様々な形で新型コロナ感染防止対策としての自粛の中で過ごしてきた子どもたちのために意を決して、小規模ながらも可能な範囲で感染対策に気を配りながら精一杯のイベントを盛り込んで、子どもたちが少しでも思い出深い夏休みになるように心がけてきました。

その背景には、子どもたちの新型コロナは「感染はほとんどが大人から」、「子ども同士で感染することは稀」、「子どもから大人に感染することも稀」という公的な情報と、限られた地域内での交流に制限すると大幅に感染拡大リスクを減らせるという「stay with your community」の考え方をもとにしています。

一方で、地域に根ざした活動を進めていくため、近隣の皆様のご理解とご協力も必要だという思いも活動の基盤にあります。

今回の水てっぽう大会の中止は、20人以上の子どもたちが集まり、歓声をあげながら、水てっぽうで遊ぶという行事が、近隣の皆様へ不安を与えるのではないかという懸念が主な理由でした。(子どもたち同士の感染は稀であることと、昨年同様、フェースシールドを準備、飛沫が直接顔にかかるのを防止する、短時間で切り上げるなどの感染対策は行う予定でした。)

子どもたちを感染から守るということは最も重要なことです。

一方で、長期間にわたり子どもたちの自由な活動の機会が減り、子どもたち同士での楽しみや交流の機会も減っている状況が、長期的にみると子どもたちの成長に与える影響に対する懸念も広く言われているところです。

今回の水てっぽう大会の中止は、近隣の皆様との関係と子どもたちの健やかな成長を願う私たちの活動への想いの狭間での苦しい決断ではありました。

だからこそ、私たちが子どもたちに対して「今できること」について考える機会にもなりました。

折れそうな心 (2021/9/15投稿)

新型コロナ変異株の蔓延は、そろそろ峠を越えたのでしょうか?

夏休みの終盤から、てらこや新都心の周りからも、次々と感染確認情報が聞こえてくるようになりました。

幼稚園や保育園、塾やスポーツクラブ、ご家族の感染確認や、濃厚接触者の指定、そして自宅療養、自宅待機となった子どもたち・・・・

それは、本当に気にかかる情報の嵐のようでした。

さらに風評被害防止のためか、情報の規制や箝口令などによる情報不足が、私たちの施設運営の判断を下すことに対する自信にボティブローのようにダメージを与えていきました。

そして私たちが拠り所にしていた施設運営上の基本的理念の一つ、「stay with your community」(限られた地域内での交流であれば、感染の爆発的拡大は防止できる)が、崩れ去ったと判断せざるを得ない状況に追い込まれました。

それほど、私たちの周りの「感染の嵐」は凄まじかったのです。

先が見えない不安やてらこや新都心が感染源になるかもしれないという恐怖のために、どこに向かって歩いているのかわからない状況がしばらく続きました。

ただひたすら身をすくめ、何もせずに今の場所にじっと小さくなっていたのです。

しかも、そんな状況を他の運営スタッフに知らせるわけにはいかないと思い、一人で耐えている状況が続きました。

私の心は折れそうになっていました。

そんな中、他の運営スタッフが突然休みました。

倦怠感があるということでしたが、やはりその倦怠感がコロナ感染を思わせたようです。

てらこやの運営に自信が持てなくなっている状況で、運営グループ内でそのことについて話し合いました。

そして分かったことは、そのような危機的状況であると感じていることが波動として伝わり、共有され、他のスタッフも同じように体調を崩していたことでした。

それが分かった時、新しい勇気が湧いてくるのを感じました。

「こんなふうに感じているのは、自分一人ではないんだ。」

また少しずつ前を向いて歩く元気を取り戻しつつある今、てらこやを訪れる方の中にもこの「一人ではないんだ」ということを確認するために訪れる方がいることを、自分たちは感覚として理解しました。

やはり、てらこやを開けておきたい、必要とする人がいらっしゃるときのために・・・

心が折れそうになる状況を経験したいま、そのことが新しい力になっていることを感じるこの頃です。

コスモス (2021/10/12投稿)

てらこや新都心には、たくさんの子どもたちが出入りしています。

その多くは小学生ですが、併設されている学研教室や、「プレラボ」があるので、幼稚園、保育園児もやって来ます。

月曜日は未就学児向けの学研教室のクラスがあるため、3時までには何人もの幼稚園児がくるはずでしたが、昨日はその時間になっても、その多くが姿を見せません。

気を揉みながら待っていると、みんなが小さな手にそれぞれコスモスの花を持って、ニコニコしながらやって来ました。

お母さんたちに聞くと、道端に咲いていたコスモスの花を「あみさんにプレゼントする」と言って、摘んでいた為に遅くなったそうです。

早速プレゼントされたその花の一部を花瓶に挿して玄関に飾りました。

勉強が終わって、ひとしきり遊んで帰る子どもたちは、このコスモスを見て「わぁ、きれい1」

人を想って花を摘み、喜びと感謝の気持ちでそれを活け、プレゼントした人がまたそれを見て楽しむ・・・・・

戸締りが終わって玄関でぼんやりと常夜灯に照らされているコスモスを見ると、このような「優しい心のやり取りの場」であるてらこやを開いていてよかったと、しみじみ思う秋の宵でした。