その素敵なプロジェクトは、卒業を来春に控えた一人の大学生が私たちのところを訪れたことから始まりました。
その一級建築士を目指す学生は、建築学科に所属し、卒業制作の課題を「子ども食堂」としていました。
大宮社協の紹介で、そちらから一番近いてらこや新都心に子ども食堂の活動についてインタビューするためにおいでくださったのでした。
一通り私たちの活動と、今のてらこや新都心の施設について説明し、面談が終わった後も、私たちの心の中では「こんどはこういう施設にしたい、こんな場所が欲しい」という思いが高まっていきました。
そして、「次の世代のてらこや新都心の施設を一緒に考えませんか?」という提案を差し上げることになりました。
その提案を快く受け入れた彼女と、何度かの打ち合わせをする中で、私たちの「てらこや未来の家」が図面として目の前に現れることになりました。
その図面を見た瞬間は、私たちの「夢」が図面として実体化した瞬間で、私たちの心は暖かい春のような風が吹き抜けたようでした。
彼女は私たちの夢を受け入れ、それを設計する作業に入っています。
心の中では、受け取った情報をさらに熟成する作業が進んでいることでしょう。
「てらこや未来の家」は、いつできるというものではないかもしれません。
今は「夢物語」です。
でもその「夢」は、私たちの行き先を示す星のようなものだと思います。
たどり着けなくてもいい。
そこに向かうあゆみの一歩一歩を楽しめばいい。
提案された図面を見ながらそんなことを考えています。