今回は、「てらこや新都心」の運営メンバーの長谷川さん(通称:先生)からのブログです。
11月のある晴れた日のことでした。
年末に向けて、子どもたちの活躍でだいぶ風通しの良くなっていた障子の張替えをしていました。
昔ながらのやり方で、障子を庭に出し、庭の水道栓から水をかけて障子の桟についた糊をほぼ洗い流し終わって、障子を縁側で干そうと運んでいた時でした。
突然、世界が回り、右肩に激痛が走りました。
子どもたちが泥んこ遊びのために掘ったくぼみに水がたまり、捏ねた名残の泥で足を取られて、右肩から落下したのだと理解できたのは、しばらくしてからでした。
あまりの激痛に身動きができず、5分くらい泥水の中に身を横たえて、痛みに耐えながら、なぜか青空を眺めていました。
周囲には、花壇の周囲を飾るレンガなどもあり、転ぶ方向によっては石に頭を打ち付けて、てらこやの庭が私の終焉の地になる可能性もありました。
幸いにして骨折は免れましたが、肩の一部の腱が断裂し、全治6ヶ月とのことでした。
私の周りでは、今年はなぜか自分の大切にしていたことを、まるで取り上げられるように失う友人が数名います。中には、そのために命を落とした方も・・・
来年70歳になる私が今大切にしているものは、家族の次に「てらこや」という居場所です。
危うく、その「大切なもの」をどちらも失うところでした。
「いつ失うかわからないものだからこそ、大切にしたい」
肩に痛みがあるたびに、そう思っています。
(長谷川記)